
CINRA, Inc.(以下CINRA)ではさまざまな企業のオウンドメディア制作に携わってきました。近年は記事制作に限らず、立ち上げ時に重要なコンセプト策定、編集方針策定などの上流からご一緒する機会も増えました。今回は、50案件以上のオウンドメディアに携わってきたCINRAによる制作プロセスをご紹介いたします。
オウンドメディアの記事制作を請け負うようになったのは、オウンドメディア黎明期の10年以上も前から。企業が自らのメディアで情報を発信することでユーザーからの信頼を得たり、インナーブランディングや採用ブランディングとして役立てたりするなど、Webマーケティング・コンテンツマーケティングの手法の一つとして用いるようになったころ。
では、なぜ私たちが制作をサポートすることになったのか。それは自社メディア「CINRA」を15年以上運営するなかで、メディア制作〜グロース運用〜記事制作のトライ&エラーをたくさんしてきたから。その結果、「CINRA」は月間1,000万PVになるメディアへと成長させることができ、さらに「カルチャーメディアといえば『CINRA』」という企業ブランディングも確立するに至りました。
オウンドメディアは、新規事業として多くの予算と人材を割くことから、失敗はできるだけ避けたいと考える担当者様も多く、成功に導くプロセスと実績を求めて、現在までに100件以上のオウンドメディアに関するご相談をCINRAにいただきました。
「オウンドメディア制作」といっても、多岐にわたります。CINRAの場合、プランナー、プロジェクトマネージャー、UI/UXデザイナー、エンジニア、編集者などのクリエイティブチームが社内にいるため、サイト制作からコンテンツづくりまでをワンストップで行なうことができます。
この記事では、主にコンテンツに関するソリューションをご紹介したいと思います。これらはメディアを立ち上げる際に必要なことでもあるので、検討している方はぜひ参考にしてみてください。
プランナーと編集者が、企業の課題感・メディアを通して届けたいこと(目的)などをヒアリングしてコンセプトやコピーに落とし込んでいきます。方法はさまざまですが、まずは数回にわたるワークショップでビジョンを明確にして、最適なコンセプトをご提案いたします。これらを通して、担当者もまだ言語化できていない想いを導き出し、メディアの核となる部分をつくりあげます。また、マーケット分析やユーザーストーリーマッピングなどメディア制作における全体戦略も同時に行ないます。

(左)キリンのオウンドメディアのメディア名を考案、(右)クライアント企業とのワークショップの様子
コンセプトと目的を整理したところで、「編集方針」を策定します。届けたいことをどのように表現するか、何に重点を置くかを決めておくことで、メディアの方向性をより具現化させます。「編集部の視点(備えておくべき特性)」「トーン&マナー(メディアのキャラクター、記事の文体・表現)」のほか、「ターゲット(どんな読者に届けたいか)」「KPI(メディアの達成目標)」「運用体制」なども一覧にまとめて、編集部全員の目線を揃えます。

どの頻度でコンテンツを展開して、どのような内容を出していくのかというコンテンツ全体を設計します。メディアの目的や運営メンバーの稼働などを加味しながら最適な種類と量をご提案します。短期的なアクセス増加を狙うフロー型記事、普遍的で安定したアクセスが狙えるストック型記事などを考えるほか、必要なカテゴリーを出してマッピングするなど、KPI達成に向けての枠組みを整えます。
オウンドメディアの場合、広報・人事などが運用を任されることも。編集のプロではなく、さらにメディア全体を管理する編集長というポジションは経験値としてもリソースとしても足りないことが大いにあります。CINRAでは、特集のブレスト、編集部内コミュニケーション、企画や原稿のチェックやそのレクチャーなど、さまざまな場面で編集長をサポートいたします。また、経験豊富なCINRAの編集者が編集長を務めさせていただき、企業担当者にナレッジを共有することもございます。
メディア運用でとても重要な「企画立案」。編集方針に合わせて提案するのはもちろん、世の中の事象やユーザーが求めていることを深く考え、「興味・共感・感動・発見・驚き」を与えるような企画を立案しなくてはなりません。CINRAではとくに、「届けたいのは誰で、(コンテンツを通して)何を伝えたいのか」を、一つひとつの企画で深く追求することを心がけています。
自社メディアではこれまでに数千人を超えるインタビューを実施。そのなかで培ったのが、他者と接続するための「文脈構築力」と、発見・驚きを届ける「表現力」です。届きにくい企業の思いを社会や個人の文脈と接続し、多くの人が理解しやすいかたちに編集いたします。事業やサービス、個人を深掘りするインタビュー記事のほかにも、マンガ、診断コンテンツなど目的や課題に合わせた最適なアウトプットでコンテンツをつくっています。

立ち上げ時に定めたKPIや中長期計画を振り返り、現状とこれからをあらためて策定することは、メディア運用にとって欠かせないこと。改善・見直しは2、3年で行なうのが良いとも言われています。CINRAではグロースコンサルティングとして、プランナーがコンセプトや課題感、PDCAサイクルの見直しをして、UXデザイナーがアナリティクスなどを使った定量での解析など、データドリブンで課題や改善点を洗い出して、提案・実装いたします。

レポートの事例
メディア運用は多くの時間と体力を使います。しかし、定期的な更新、数値的な成果をつねに求められるもの。それらを円滑に運用するためのディレクションも、15年以上メディアを続けてきたCINRAなら可能です。健全で良質なディスカッションをする「編集会議」の実施、1か月の成果と解析をまとめた「レポート報告書」、複数のコンテンツによる同時制作のなかで公開までを導く「進行管理」など、日々のメディア運用で必要不可欠な部分を担います。

レポート報告書の事例
表現されたものをより多くの他者に届けるためには、うまくSNSを活用することが近道の一つ。メディアCINRAのTwitterアカウントは16万以上のフォロワー(2022年7月現在)で、これまでにPDCAをいくつも重ねてきました。また、クライアント案件でもSNS運用を経験したことで、「広く共感を生むための伝播力」のナレッジも得ています。
先ほども述べた通り、オウンドメディアでは編集職が未経験のメンバーが運用していることも多いため、インナー向けに「Web記事づくり」のレクチャー会も実施しています。参加者の課題感や悩みに合わせてテーマをカスタマイズ。運用中のメディアを事例にしたワークショップを取り入れるなど、実務で役立つ内容を目指しています。

オウンドメディアは、いわゆる「テキストの記事コンテンツ」だけに限りません。運用方針に合わせた企画をさまざまなアウトプットで発信したいと考える企業も多く、CINRAではそれらに対しても企画からご提案いたします。ユーザー数が拡大しているPodcastで、企業アカウントの開設と音声コンテンツ制作の実績もございます。
グローバルな目線で「女性×社会」の関係を紐解く。森ビルのPODCAST制作

約20年にわたってクリエイティブ領域で事業を拡充してきました。それらのソリューションを各企業のオウンドメディアの目的に合わせてご提供してきたなかの一部を、ご紹介します。

アイセイ薬局で健康情報メディアとして立ち上がった「HELiCO」では、コンセプト策定のワークショップ・ネーミングの策定支援・編集方針策定・コンテンツ設計・企画立案・記事制作・運用ディレクションを担当しています。いままで健康を意識していなかった人にも情報がわかりやすく伝わるように編集するほか、親しみのある著名人やイラストを起用することで、読者が健康管理について考えるきっかけをつくりました。
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三井化学のオープン・ラボラトリー活動「そざいの魅力ラボ(MOLp)」のメディアをリニューアルする際に、コンセプト策定・コンテンツ設計・企画立案・記事制作・運用ディレクションを担当。活動を深掘りするインタビューや素材の仕組みを伝えるコラムなど、専門的な内容から親しみのあるものまで幅広く素材の魅力をコンテンツ化。その後、MOLpの活動内容がAbemaやYahoo!などのニュースに取り上げられました。
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キリンのオウンドメディア「KIRNto(キリント)」の立ち上げにあたり、弊社ではメディアの戦略設計、アートディレクション、コーディング、コンテンツ制作を担当しました。読者への共感を促すには、企業の取り組みをただ知ってもらうのではなく、「なぜその想いに至ったのか」、前後の文脈まで感じてもらうことが必要です。そのため、キリンの活動をファクトとして伝えるだけではなく、活動に共鳴する方との対話を通じて問いを投げかけるコンテンツづくりを目指しました。
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ほかのオウンドメディア制作の実績については、以下の記事をご覧ください。
ストーリーから構築したオウンドメディア・コンテンツ制作まとめ
成果が出ない、届けたい人に届かないなどの理由から「オウンドメディアはもう終わった」という声が聞こえてくるようになった昨今。SEOだけを意識した記事や、企業の一方的な発信にはユーザーも敏感で、そのようなメディアは確かに「終わった」のかもしれません。
一方で、今年になって大手企業が新たにメディアを立ち上げるほか、CINRAへのお問い合わせの数も減るどころか増え続けています。企業が自らの思いを発信することが当たり前になったいま。大事なのは、企業とそのつくり手が、情熱や強い想いを持ち、ユーザーに寄り添うようなコンテンツコミュニケーションをつくることではないでしょうか。メディアの本質と向き合い、丁寧なコンテンツづくりを徹底した「価値あるオウンドメディア」には、まだまだ成功の可能性が大いにあると思います。
オウンドメディアの制作についてより詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
Inspire people
to fill the world
with imagination.
人に変化を、世界に想像力を。
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