
採用サイトを公開したものの、「これで本当に効果があるのだろうか」と不安を感じていませんか? オウンドメディア制作において重要なのは、公開後の運用設計です。今回は、採用サイトにおけるPDCAの回し方について、編集の視点を交えながら解説します。
執筆:井手聡太(CINRA, Inc.)
採用サイト制作でよくある失敗が「作っただけで満足してしまう」「機能しているのか分からない」こと。さらに、担当者の引き継ぎが不十分で、せっかく積み上げた知見が分断されてしまうケースも少なくありません。
また、採用トレンドも社会の流れを受けて変化しています。私たちが携わるクリエイティブ業界も昔は専門的な事柄を学んできた学生が採用の対象でしたが、いまはデジタルツールの一般化により裾野は広がっているように感じています。
PDCAサイクルは、採用ブランドの成長記録そのものです。採用計画と連動させながら継続的に改善を重ねることで、オウンドメディアとしての採用サイトが企業にとって真の資産となっていきます。
では、PDCAを順を追って見ていきましょう。
まずは現状を整理しましょう。理想的な採用人数だけでなく、「開発者の応募が少ない」「一次面接の通過率が低い」など、具体的な課題を洗い出します。まずは感覚的なことでもいいので、採用担当や社内のメンバーを交えてホンネで話してみましょう。腰が重くなるような壮大なプランを立てる必要はありません。PDCAはシンプルに回し始め、サイクルに慣れていくことで洗練されていくものです。
次に、コンテンツマトリックスで不足しているものを可視化します。縦軸に「ビジョン」「仕事内容」「企業文化」、横軸に「全体「職種別」を配置し、各セルがどのように埋まっているかチェックします。編集的な視点で見ると、どの切り口のコンテンツが足りないのかが一目瞭然です。

課題とマトリックスをもとに、必要なコンテンツを制作していきます。ここで大切なのは、オウンドメディアとしての一貫性。前回のコラム「採用サイトで成果を出す3つの視点とコンセプト設計のポイント」を参考にしてみてください。会社のビジョンを全体で語るコンテンツと、各職種に落とし込んだコンテンツの両方を用意することで、求職者の多様なニーズに応えられます。
KPIは「絶対達成しなければならない厳しい目標」ではなく、「目指したい方向性を示す大きな指標」として設定することがオススメです。社内報告で達成したことを誇るより、なぜ達成しなかったかという考察自体が大きなラーニングになるからです。
短期・長期の仮説を立てる
多くの企業でサイト解析ツールは導入していると思いますが、デジタル解析データは取得しすぎるというデメリットがあります。すべてを計測しようとするとレポーティングに時間がかかりすぎ本質を見失うため、本当に取るべきデータを仮説で絞り込むことが重要です。
特に中小企業の場合、マンスリーのアクセス数が限られるため、長期的な視点での計測が有効です。また採用サイトのようなブランディング要素を含むオウンドメディアは、緩やかに効果が現れるものです。短期的な結果に一喜一憂せず、じっくり取り組みましょう。
質的な指標に注目する
PV数だけでなく、「滞在時間」「スクロール率」「回遊率」など、求職者がコンテンツにどう向き合っているかを示す指標を重視します。「採用サイトをどう使ってほしいか」をイメージし、それに近い指標を選びましょう。
1ヶ月ごと、6ヶ月ごとにレポーティングを実施し、「このコンテンツはよく読まれている」「離脱率が高い」といった気づきを中間メモとして蓄積。中間メモが蓄積されることにより、メモが確信に変わっていきます。確信を持って次のアクションに移れる状態を作ります。
定性調査で「なぜ」を深掘りする

これは編集におけるインタビューと同じ。「なぜ」を重ねることで、表面的な答えの奥にある本質が見えてきます。
私が採用担当の時、直近1年に入社した社員を対象に20項目のアンケートとショートインタビューを実施しました。アンケートでは、新入社員たちは入社前に「記事コンテンツ」「採用ピッチ資料」「実績」の三つを参考にしていたことがわかりました。。また、ヒアリングでは、メディアとクリエイティブ両軸で行う弊社のバランスやスタンスを気にしていたということがわかりました。このように、企業ごとに効果的なコンテンツは異なります。自社のデータを丁寧に読み解くことが、オウンドメディア運用の成功につながります。
定量・定性データをもとに、次のプランを設計します。前述の通りPDCAサイクルをシンプルに考え、施策は情熱を持って取り組み、結果をチーム全体で共有し認識を擦り合わせることが大切です。そして、その結果を残すことで採用担当者が変わってもブランド活動の継続性を維持できます。
採用サイトは、企業と求職者をつなぐ大切なオウンドメディア。「作って終わり」ではなく、育て続けることで、採用ブランドは確実に成長していきます。
ぜひ御社でも取り組んでみて、もし悩みや相談がありましたら私たちに声をかけてみてください。
【これまでのコラム】
1. 採用サイトで実現する「デジタルリファラル」の作り方
2. 採用サイトで成果を出す3つの視点とコンセプト設計のポイント
私たちCINRAは、企業の魅力を引き出し、求職者の心に届くコンテンツ制作を得意としています。採用サイトを単なる情報掲載の場ではなく、企業と人をつなぐ「デジタルリファラル」の仕組みとして機能させる。そんな採用サイト制作の実績をご覧ください。皆様からのご相談をお待ちしています。
Inspire people
to fill the world
with imagination.
人に変化を、世界に想像力を。
CINRAについて