
私たちCINRA, Inc.(以下、CINRA)は、企業ブランディングに関わるプロジェクトを数多く手がけています。そのなかで、コンテンツ・デザインを通したアウトプットのほかに、オウンドメディア制作・運営の知見を生かした採用支援を行っています。今回は、オウンドメディアの制作と運営で培ったノウハウを通して見た「採用サイト」について考えてみます
執筆:井手聡太(CINRA, Inc.)
このコラムのタイトルが気になる方ならご存じの通り、労働人口の減少や専門職種の採用難が続くいま、多くの企業が採用を重要な経営課題として捉えています。
そのような背景のなか、中途採用担当の方なら、こんなジレンマを感じたことはありませんか?
「マッチング率を高めたいけど、母集団も増やさないといけない」
この相反する2つの目標。マッチング率を重視すれば応募者は限定的になり、母集団を増やそうとすればミスマッチが増えてしまう。多くの採用担当者がこのジレンマに日々悩まれているかと思います。さらに、新卒採用ならば「人数もマッチングも」といったより高い社内理想があったりもします。
このジレンマを解決するヒントが「リファラル採用」にあります。社員の知人を紹介してもらうこの手法は、高いマッチング率と定着率で注目されています。なぜリファラル採用は効果的なのでしょうか?
その理由は「事前に文化や考え方が伝わっている」こと。紹介者が会社の雰囲気や働き方を丁寧に説明することで、入社後のギャップが少なくなります。
新卒採用のケースですと、インターンが会社を体験し、社風や仕事を掴むというやり方に近いと思います。

ただし、リファラル採用には課題もあります。それは個人のネットワーキング力に依存する「属人性の高さ」です。人脈の広い社員がいればラッキーですが、すべての職種に友人・知人がいる人は少ないのが現実です。また社会人経験の少ない若手が多い会社になるほど不利になるという話もあります。それ故に、母集団数は限られてしまいます。
では、採用担当者自身がリファラル採用のような効果を生み出すことはできないのでしょうか? 私たちは、その一つに「デジタルコンテンツの活用」があると考えています。
オウンドメディアとしての採用サイトは、会社と求職者のあいだに立ち、まるで信頼できる友人のように「紹介」や「推薦」の役割を果たすことができます。また、デジタルコンテンツには、リファラル採用と共通する2つの特性があります。
1. 中長期のコミュニケーションができる
オウンドメディアの考え方と同様、採用サイトを通して、求職者は自分のペースで、何度でもコンテンツに触れることができます。
2. 深い対話が可能になる
テキスト、画像、動画など、それぞれのコンテンツに合った方法で、会社の文化や価値観を丁寧に伝えることができます。
新卒・中途問わず、中長期で求職者と深い対話を実現できる方法。これこそ、私たちが「デジタルリファラル」と呼ぶアプローチです。
求職者が応募に至るまでのステップを考えてみましょう。
調査フェーズ: 業種や条件で情報収集
情報取得フェーズ: 特定企業への理解を深める
比較検討フェーズ: 複数の選択肢を比較する
検証フェーズ: 最終的な意思決定の根拠を固める
動機付けフェーズ: 応募への背中を押す
実は、求職者が会社を知る情報チャネルは限られています。ですが、前述のすべてのステップで、採用サイトは重要な役割を果たします。特に内定受託フェーズでは、求職者が何度もサイトを訪れることは珍しくありません。

ここで重要なのが「編集」の視点です。転職回数が数十回を超える人は別ですが、求職者は決して「転職のプロ」ではありません。必要な情報の深さも、滞在時間も、訪問者によって大きく異なります。
だからこそ、簡潔な情報だけでなく、より詳細なコンテンツも用意する必要があると考えることができます。これを読んでいる方も、かつて自分が応募した企業の印象を覚えているのではないでしょうか?。たとえ応募に至らなくても、ポジティブな印象を持ってもらうことは、将来の採用や企業ブランディングにつながっていくでしょう。
最近では、AIが企業情報を補完する際に、採用サイトのコンテンツを参照することも増えています。訪問先の会社がどんな事業を行っているのか、どんな組織なのかなど、調べたことがある方は多いでしょう。そういったAIから提供される情報のなかに、採用サイトのコンテンツ情報も入ってきます。つまり採用サイトは、求職者だけでなく、投資家や取引先、メディアなど多様なステークホルダーが訪れる「スクランブル交差点」のような場所なのです。
さまざまな期待値を持った訪問者に対応できるコミュニケーション。それを実現するのが、オウンドメディアとしての採用サイトです。
「事前に文化を伝える力」を、デジタルコンテンツで
採用の成功には、計画的なKPI設計と同時に、求職者との深いコミュニケーションが欠かせません。リファラル採用の持つ「事前に文化を伝える力」を、デジタルコンテンツで再現する。これは、冒頭の「マッチングの高い母集団形成」に繋がっていきます。そのために必要なのが、編集の視点を持ったオウンドメディア制作です。
次のコラムでは「成果を出す3つの視点とコンセプト設計のポイント」について解説したいと思います。
私たちCINRAは、企業の魅力を引き出し、求職者の心に届くコンテンツ制作を得意としています。採用サイトを単なる情報掲載の場ではなく、企業と人をつなぐ「デジタルリファラル」の仕組みとして機能させる。そんな採用サイト制作の実績をご覧ください。皆様からのご相談をお待ちしています。
Inspire people
to fill the world
with imagination.
人に変化を、世界に想像力を。
CINRAについて