
2025卒から新卒採用を開始したCINRA, Inc.(以下、CINRA)。2026年4月には新卒2期生が入社しました。
これまで中途採用のみだったCINRAはなぜ新卒採用を始めたのか。
CINRAの人事で、新卒採用や育成も担当する倉上啓に、新卒採用を経た会社の変化と、新卒の受け入れ体制を聞きました。
取材・執筆:齊藤大介(CINRA, Inc.) 撮影:二木大介(CINRA, Inc.)
―CINRAは2025卒から新卒採用をスタートしました。なぜこのタイミングで新卒採用を開始したのでしょうか?
倉上啓(以下、倉上):新卒を起点として、組織を変えたいと思ったからです。
新卒採用は、CINRAにとって初めての試み。創業20年を迎えて、さらに大きなインパクトを社会に与えていくためには、組織としてもう一段上の成長を遂げる必要があると考えました。そのために目指したのが「教えること、教えを乞うこと」が当たり前にある組織です。
それまでCINRAは中途採用のみを行ってきたので、「組織」というよりどうしても「個」が強い会社という側面があったと思います。そのため、良くも悪くも「先輩・後輩」という関係性が薄く、個の力に頼る部分がありました。新卒採用を通して、社内に新しい縦のつながりが生まれること。そして先輩たちも新卒に「教える」ことでさらに磨かれていくことを期待し、新卒採用をスタートしました。

CINRA人事 倉上啓
―新卒採用開始から1年ほどが経ちましたが、社内に変化は生まれていますか?
倉上:狙いどおり社内に新しい「縦のつながり」ができていると思います。先輩が新卒に教えたり、新卒から先輩に教わりに行ったりする場面を社内で良く見かけます。
例えば、この前は2025卒(新卒2年目)のメンバーが、同席してもらった商談のフィードバックを自分から取締役に聞きに行く場面を見かけました。自発的に教わりに行くこと、年齢が近い先輩だけでなくレイヤーを超えて学ぶ姿勢がとても良いなと思います。そういった新卒の姿勢から刺激をもらっている先輩も多いはずです。
ただ、この縦のつながりに関しては、始めたばかりということもあり、まだ完璧ではないと感じています。今はトレーナーや同じチームの先輩が中心に新卒に関わっていますが、これからはその枠をもっと広げていきたい。新卒の近くにいるメンバーだけでなく、社員全員で新卒を育てていく状態をこれからつくっていきたいと考えています。
―CINRAに新卒入社をしたら、どのようなスケジュールで現場に配属になりますか?
倉上:まず入社してから最初の2か月間は人事主導の研修を行い、6月から現場配属になります。
6月の配属後も、2か月間は実務をこなしつつ「オンボーディングプログラム」を並行して進めてもらいます。オンボーディングプログラムでは、競合調査や練習で提案書を作成するなど、いわば「研修と実務のあいだ」のような内容になっていて、少しずつ現場の仕事に慣れていけるように設計しています。

新卒社員からの相談にのることも
―入社後の2か月間は人事主導の研修を行うのですね。人事研修ではどんなことを学ぶのでしょうか?
倉上:人事研修は大きく分けると5つのカテゴリで構成しています。
まずは、名刺の渡し方や言葉遣いといった基本的な「ビジネスマナー」と、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドといった業務に欠かせない「ITツール」の習得です。
それに加えて、私たちが特に重視しているのが「ビジネスマインド」と「コミュニケーション」の領域です。ここでは、目標の立て方や仕事をするうえで大切にしてほしい考え方、そしてビジネスにおける適切なコミュニケーション方法など、CINRAで自立して働くための土台となる姿勢をレクチャーします。
そして研修の後半には、営業のロールプレイングやプレゼンテーション、資料作成といった、実際の「実務」に近いワークも取り入れています。
この5つの要素を2か月間かけてインプットとアウトプットを繰り返しながら学び、6月からの現場配属に向けてスムーズにステップアップしていけるようなプログラムにしています。
―人事研修でCINRAならではのユニークな研修はありますか?
倉上:人事研修自体は、社会人のベースとなるマインドやスキルを身につけてもらうことを目的にしているので、突飛なものはなく基本的な内容が中心です。
ただ、CINRAは「編集」を強みとする会社ということもあり、メディアの記事を読んで自分がインスパイアされたポイントを発表し合うといった、CINRAらしい研修も取り入れています。
また、研修期間中に「Port Call」という全社集会があるのですが、そこでは新卒メンバーが全社員に向けて発表する時間を設けています。発表内容は研修中に学んだことや将来の目標など、基本的に自由にしているのですが、新卒メンバーは毎年ユニークな発表をしてくれています。これまでの発表では、新卒社員が自分たちで研修中の様子を動画で撮影・編集して流したり、既存社員に事前にアンケートを取ってその結果を絡めたりと、自分たちで工夫して面白いアウトプットを作ってくれました。
―配属後の新卒の動きもお伺いしたいのですが、配属後のトレーナー / トレーニーなどの育成体制はどのようなものですか?
倉上:26卒からは、年次が1つ上の新卒の先輩がトレーナーとなる体制をとっています。新卒1年目のトレーニーからすると、年齢が近い先輩だからこそ、日々の小さな悩みや業務の疑問も気軽に相談できるという安心感があると思います。
同時に、1つ上の新卒の先輩がトレーナーになることは、教える側にとっても大きな意義があると思っています。入社2年目という早い段階から育成に関わることで、自分が教わってきたことを言語化し、後輩をリードする経験ができる。それが自身のさらなる成長や視座を高めることに直結すると考えています。

新卒社員と人事で定期的に面談を実施している
―トレーナー以外にも新卒社員が先輩社員と関わる機会はありますか?
倉上:実務のアサインや案件を通じて関わる機会はもちろんたくさんありますが、CINRAでは業務外でも接点を持てるような福利厚生を複数用意しています。
例えば、今年から新しく「新卒メンバーとのランチ代補助」という制度を導入しました。新卒メンバーと既存の先輩社員がランチに行く際、会社がその費用を補助するというものです。業務上の縦のつながりも大切ですが、それと同時に、新卒社員には先輩たちと気軽にコミュニケーションを取ってほしいと思っています。
CINRAには、さまざまなバックグラウンドやキャリアを持った中途社員がたくさん在籍しており、そうした先輩たちから学べることも多いのではないでしょうか。また、お互いが好きなカルチャーについて語り合うといった何気ない雑談の中から、自分の視野がぐっと広がることもあるはずです。
―人事研修と配属後の研修期間を経て、新卒社員はどのように成長していると感じますか?
倉上:特に大きな変化を感じているのは、「自発性」ですね。ちょっとしたことですが、ミーティングで自分から議事録を取ったり、社内イベントの席のセッティングを自ら申し出たり。そうしたことを、研修期間を経て自発的に行うようになっていると思います。
指示されるのを待つのではなく、今の自分にできること・やるべきことを自分で考えて、行動に移してくれている様子を見ると嬉しくなります。研修や日々の業務を通して、自分で自分を成長させる素地を身につけてくれているなと感じます。
―どういう学生にCINRAに入社してほしいですか?
倉上:以前代表の加藤が「CINRAの社員は、自分たちが社会を変えられると本気で信じている」と話していました。私も人事として、そういう想いを持った人が集う会社でありたいと思っています。
「CINRA=カルチャーの会社」という印象を強く持っていただいている方が多く、それはありがたいのですが、決して入社時にカルチャーに詳しくなければいけないというわけではありません。
社会を変えたいという想いがあればCINRAの社員として必要な素養は身に付けていけると考えています。なので、必ずしも入社時に「すごく尖った個性」や「ずば抜けた能力」がある必要はありません。自分は、社会を変えることにどう関わっていけるだろうかということを本気で考え、そのために自分を成長させたり、仲間を巻き込んだりしていける。そんな人に入社して欲しいです。
―想いを持って入社した後に、CINRAのカルチャーにマッチしそうなのはどのような人だと思いますか?
倉上:CINRAの新卒は総合職採用で、新卒2年目までを仮配属期間と位置付けて3年目から本配属になります。新卒社員は総合職として、まずは専門性を狭めすぎずにじっくり成長してもらおうと考えています。なので、いろんな業務を経験してみてそこから自分の強みを深めていきたいという人がマッチすると思います。
CINRAのミッションなどに共感してくれていることはもちろんですが、そのミッションを達成するために、1つのやり方に固執せずにトライアンドエラーができる人が、CINRAで新卒として働くのに向いているかなと思います。
本気で社会を変えたいという想いを持って、柔軟にさまざまなことにトライできる人に、説明会や選考に応募してもらえたら嬉しいですね。

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