【レポート】国内最大級のWebメディアは、こうして運営されていた!

06.13.2014

こんにちは! 広報の塩谷です。

今回は、先日schoo WEB-campusにて生放送させていただいた授業のレポートになりますので、お付き合いいただけましたら嬉しいです。

schoo(スクー)とは、オンラインで誰でも気になる授業が受講できる、Webの学校。
授業内容は政治・社会問題からWebサイト制作ノウハウ、そして女子会潜入(!)など実に様々ですが、その全ての授業が生放送。先生と生徒が、そして生徒同士がチャットでリアルタイムにコミュニケーションを取りながら楽しく学べるのが魅力です

毎日たくさんの授業が開講される、schoo WEB-campus
そんなschooさんで、CINRAも授業を開講させていただきました。授業のテーマは、「Webメディアのつくり方」。これは「CINRA.NET」をはじめとする自社メディアの運営や、様々なお客さまのWebメディアを制作・編集させていただいている私たちにとっても最もアツい議題なのですが、会社やプロダクション、個人によってそのメソッドは様々です。
更に、Webメディアが日々あらゆるところで生まれているここ最近。そこで業界を牽引する方をゲストにお招きし、「Webメディアのつくり方」を一緒に考えよう!という運びとなったのです。

CINRANET

運営6年目に突入した、カルチャーニュースメディア『CINRA.NET』

CINRAが制作させていただいた外国人観光客向けWebメディア『100Tokyo』(クライアント:経済産業省様)

第一回目のゲストは、日本最大級のWebメディア、Gizmodo Japan(以下 ギズモード)元・編集長の大野恭希(おおの よしき)さん。実はお誘いさせていただいた頃はまだ「現・編集長」だったのですが、2014年3月にその職を辞任され、フリーランスに。
そんな中、ギズモードを運営するメディアジーンさん、そして現・ギズモード編集部のみなさまのご理解により「大野さん、もうギズモードは辞めちゃったけど、それでもギズモードを代表していただいて、色々お伺いしよう!」というこの授業が実現しました。なんと広いフトコロ……。ありがたいです。ありがとうございます。

(ご紹介させていただく内容は、大野さんがギズモード在籍時の内容です。現在の運営方法とは異なる場合がございますので、ご了承ください。)

渋谷にあるschooさんのスタジオ。左から、学生代表(アナウンサー)の塩原さん、CINRA杉浦、大野さん。
CINRA代表の杉浦が聞き手となり、大野さんと色々お話をさせていただきました!
同世代、Webメディアづくりにどっぷり関わってきたお2人。ギズモードさんはガジェット、CINRAはカルチャー情報とジャンルは異なりますが、伺いたいことはたくさんあります!

大野さんってどんな方?

1983年生まれの大野さんは、大学時代からブロガーとして情報発信を続け、2008年 24歳のときにギズモード編集部に所属。ギズモードジャパンの副編集長を2年、編集長を2年経験し、2014年の3月に辞任されました。好きなものはガジェットとテクノロジー、嫌いなものは貝類、とのこと。
大野さんがギズモードを辞任したその理由と、今後の行方についてはご本人のブログ「さよなら! 7年関わったギズモードを辞めます」という記事に綴られていたので、そちらも併せて、どうぞ。
ここからは、授業で「なるほど!」と唸った要点をまとめていきますので、Webメディアを作りたい方や、現在運用されている方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

Gizmodo Japanって、どんなメディア?

言わずもがな、国内最大級のWebメディア。数字にすると、なんと月間7000万PVです。つまり、1日につき230万ページ、誰かに見られているということです。日本トップクラスのガジェット系ブログメディアです。

掲載するネタの選定は、どうしてるの?

ギズモードさんには、話題のネタを取り上げるニュース枠と、タイアップ記事を掲載する有料広告枠があります(弊社メディア「CINRA.NET」も、同じ形式です)。

超巨大メディアですから、PRのために掲載されたい! (出来れば、無料のニュース枠で!)という企業さんはとても多いかと思うのですが、その枠に掲載するニュースがどう選ばれているか? という、ギズモードさんの選定方法を教えてもらいました。

毎日送られるプレスリリースは100件以上。ネット上で拾う面白いネタもたくさん。でも、面白ければ何でも掲載OK、というわけではないそうです。ガジェット、テクノロジー、サイエンス。その3つの軸に入るかどうかで情報を選定し、メディアの方向性がぶれないようにしているとのこと。

そこで、こちらのクエスチョン。

大野先生からのクイズです。ギズモード編集者になったつもりで、生徒のみなさんもチャット上で考えます。そこで出た答えは、

A 11票

B 6票

C 3票

という、圧倒的TENGA人気。

チャット欄の空気がTENGA一色に染まりかけたところで、大野先生から答えの発表です。

 

Bのみ、アウトでした。

大野さん「モンストの人気は高いから、この記事でも充分なPVは取れると思うのですが、ギズはゲームメディアではないのでジャンル切りですね。Cは前代未聞のテクノロジーのネタですし、Aの薄型TENGAはガジェットなので、アリです。あと、ギズモードは読者のうちの9割が男性なので、TENGA情報はぜひ知って欲しいですね。」

ギズモード読者が男性9割ということ以上に「薄型TENGAはガジェットなので」という発言が生徒間で波紋を呼びましたが、大切なのはそこではなく。

どんなにPVが取れそうな内容であっても、メディアの方向性と異なるものは掲載しない。それが、長期的にメディアのファンを作って行く心得なんですね。

一方のCINRA.NETは、カルチャーを軸に記事を選定していますが、ポピュラーすぎるものはあえて取り上げていません。エンタメ・カルチャーメディアが沢山ある中で「CINRA.NETのファンです!」と言ってくださる方がいるのも、この選定があるからからかと。ありがたい話です。

ちなみに、メディアジーンさんはギズモードの他にも、様々なWebメディアを運営されています。複数あるからこそ、それぞれのカラーをより明確に立たせることが出来るんでしょうね。


メディアジーンさんの運営される、8つのWebメディア

記事タイトルの付け方は、どうしてるの?

もう1つのクイズは、最も適切な記事タイトルを選べ!というお題。

ソーシャルで拡散されたり、クリックされるための大きなきっかけになる、記事タイトル。編集者が最も力を入れるポイントです。ギズモードさんでは、1つの記事広告に対して10個ものタイトルアイデアを出されているとのこと。10個。これはかなり、大変です。

ギズモード編集部の方が一生懸命考える、10個のタイトル案。そこでどのようなものが採用されるのか?という詳細は、スクーさんの録画授業でご覧ください!

元編集長、なかなかシビアな判断をされていたようです。

メディアへの流入経路、どうなってる?

お次は、Webメディアの命ともなる、流入経路についてです。ユーザーが、どこから飛んできてくれたのか?という流入元を、僭越ながら、CINRA.NETとギズモードさんで比較してみました。

まずは私達CINRA.NETについて。一番多いのはGoogle検索、次いで2番目がTwitter。
同規模の媒体よりも、Twitterの流入が目立つCINRA.NETなのですが、これは「芸能人の方によるリツイート」などが効力を発揮する、芸能・カルチャーメディアならではの偏りです。編集部内では「○○さんにリツイートしてもらったぞ!」「おおー!」といった祭りがよく起こっています。

CINRA.NETの場合はTwitterとの親和性が高いのですが、新しくメディアを作る際にはその特性によって開設するSNSを変えたり、発言内容も工夫したりしています。ファッション系ならInstagram、海外発信はGoogle+、そして名言はbotとしてTwitterにまとめたり……。すべてのSNSで同じ投稿をするのではなく、ユーザー特性によって少しずつアプローチを変えていくのも、メディアの運用においては重要なポイントです。

さて。対するギズモードさん。目立って多く見られるのは、ニュースキュレーションサービスからの流入。私も自分のスマホ内には「gunosy」「Antenna」「Smartnews」のアプリを3種の神器のように常備しているのですが、そこからふいに、ギズモードさんの記事に辿り着く機会は多い!

とはいえ、ニュースキュレーションサービスが台頭したのは、ほんの2年ほど前のこと。この数年で、いかにインターネットの使い方が激変しているのかが伺えます。各社テレビCMを流すなど勢いをつけるキュレーションサービスですが、今後WebメディアがPVを獲得していくにあたって、避けては通れない存在ですね。

また、Google検索などで優位になるように外部からのバックリンクを張る「SEO施策」などもありますが、こちらはギズモードさん、CINRA共に現在は大きな施策をしていません。長く続けていくことで、自然とたくさんのリンクを張ってもらい、コンテンツも充実し、サイト自体のレベルもぐんぐん向上していくということですね。

大野さん「メディアは続けて行くのがすごく大事ですね。続けて、成長させていく。」

杉浦「本当にそうですね。立ち上げた瞬間は話題になったりしますけど、その一瞬が終わった後、日々の流れの中でひたすら作って運営していくのが何よりも大切なんですよね。」

Webメディアの成功のためには、コツコツ頑張り続けるのが一番。これは、一番簡単そうでありながらも実は一番難しいことです。開設時から、長期的・持続可能な運用イメージを描けているか、ということが重要ですね。

編集者として、大切にしていること

その後も、マネタイズについて、広告収益について……など、Webメディア運営者が気になる内容のお話が続きました。スクーさんは授業アーカイブが再生できるので、全編が気になる方は、ぜひそちらへ!

http://schoo.jp/class/626/room

最後に、大野さんが編集者として大切にされているポリシーを4つ、まとめさせていただきます。

1.ターゲットユーザーの身になって考える。

「僕自身がユーザーになりきるんです。よくユーザーに憑依する…とも言っていたのですが、これはけっこう大事なことです。自分の主観を持ちながらも、ユーザーの目線を何よりも大切にしていました。」

2.記事ごとで、ターゲットを切る。

「ギズは、ガジェット、という大枠のターゲットユーザーは決まっているのですが、Mac派、Windows派、スマホ好き……それぞれに特徴が違います。彼らの喜びそうなポイントを狙って、記事の切り口を変えたりしています。」

3.そのメディアの文脈で記事をつくる。

「ギズモードはブログメディアなので、通常のメディアよりも、ライター個人の感想を大切にしてます。それに併せて、ギズの読者の人たちがどんなネタが好きか……を常に考えて、記事を選んでました。」

ギズモードさんの記事の最後には、ライターさんの署名が必ず掲載されています。現在はこのような形式を取る国内Webメディアも増えましたが、昔からこのような形式で運営されているギズモードさんは、海外型ブログメディアの草分け的存在。「誰の意見なのか?」という個性を重んじるこのスタイルは、本家ギズモードのあるアメリカからしっかり受け継がれ、ギズモード・ジャパンのコアにもなっているようです。

4.自分なりのメディアマインドを形成させる。
「僕にとって一番大切なのは、自分が発信する情報が、ネット上の誰かの役に立ったり、誰かをハッピーにするかどうかっていうこと。自分が書く記事や、関わるメディアで、誰かがハッピーになってくれればいいな、と。」

これは、私たちCINRAの企業理念にも通じるところがあり、そう!そう!そうだ!と共感してしまいました。日本を代表する超大手Webメディアを、そんな優しい気持ちの編集長が担っていたということも、素晴らしいなぁと。

お2人のメディアに対する愛情は?

最後に、生徒さんから「お2人のメディアに対する愛情を、両手で表してください!」という質問が飛んできました。

杉浦社長は、これくらい。

現在、海外事業や社長業に忙しいため、現場でメディア編集をする機会は減ってしまったのですが、後ろのモニターにぶち当たるくらいにはたくさんの愛情があるようです。

 

大野さん、2014年3月までは、これくらい。たっぷりの愛ですね。

 

辞任した今は、これくらい。減りました。でも、しっかりと心の中に愛はあるようです。

大野さん「今は、1人の読者としてギズモードの更新を楽しみにしてます。というか、辞めてから実感したんですけど、めっちゃいい会社でしたね、メディアジーンは。会社っていいなって思いました。ほんとに。」

23歳のころに会社を立ち上げてメディアをつくった杉浦と、24歳からフルコミットし続けた会社を辞めて、ひとり動きだす大野さん。

お2人の波長もぴったりで、大野さんには、これからもCINRA共々お世話になりそうな予感がしました!

とても充実感のある90分の授業の終わりには、チャット欄からも拍手喝采。

「良いWebメディアをつくりたい!」という生徒のみなさんの気持ちと、先生ふたりの想いがたくさん詰まった授業になりました。良い機会を与えてくださった株式会社スクーのみなさま、大野さん、本当にありがとうございました!(広報・塩谷)

株式会社CINRAのFacebookも更新してます!
こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
https://www.facebook.com/cinrainc

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